年収1000万円程度では実は生活レベルは変わらない

年収1000万

「年収1000万円」というのが世の働くサラリーマンの1つの目標値だとされています。実際に僕も、「絶対に20代のうちに年収1000万円になる!」と謎な指標を打ち立てて行動していました(笑)

年収1000万円と聞くとあたかもリッチで裕福な生活をしているようなイメージがあるかもしれません。

しかし現実はそうではなく、年収1000万円を超えたって実は生活レベルはなんら変わりませんし、年収1000万円を1つの指標にしていた人にとってみても、あまりその実感や達成感は得られないと思います。

日本の法律では税金は累進課税制ですから、年収が300万円や400万円の低い頃に比べると年収1000万円を超えると一気に税率が跳ね上がってくるからです。

年収1000万円を12か月で割ると1か月に貰えるお金は85万円ほどだと思うかもしれません。しかし、社会保険料、年金、所得税、住民税などの諸々のお金が差し引かれて、結局は60万円前後になってしまうわけです。

ですから年収1000万円と言えども、結局は手取りで言うと年間700万円くらいに落ち着いてしまいます。

ただ1つ言える事は、「どういう形で年収1000万円超えを達成するか」によってもその感じ取り方は大きく変わってきます。ライフスタイルによっては年収1000万円でも十分だと感じるケースもありますから、その辺りを少し書いてみようと思います。

年収1000万円を貰う事自体を目的にするのではなく、「自分がどういう理想を実現したいのか」という事の方が重要だという話です。

1.サラリーマンとして年収1000万円超えを果たす

「年収1000万円超え」という話をする中で、日本人の中で最も多いのがサラリーマンとして会社から年収1000万円を受け取るケースでしょう。

一部上場の有名企業で課長職、部長職などの職種がついてくると業界によっては年収1000万円に到達する人も出てくるでしょうし、外資系の企業では若くても実力次第では年収1000万円以上の高額給与を貰える場合も多いと思います。

しかし、会社から貰う給料としての年収1000万円は、一番「リッチになった感じ」がしないと思いますし、当然その実感もほとんどないでしょう。

なぜなら年収1000万円を貰える代償に、自分の生活の中の多くの時間を会社のために捧げなければいけないからです。

残業なんてもはや当たり前。連日終電近くまで残業して部署の売上をあげる事ばかりに集中させられ、寝るためだけに帰る自宅では家族サービスなどする時間ももちろんなく、また翌朝は早く起きて満員電車に乗り込むわけです。

こんな毎日では、年収1000万円を貰えたって何も面白くないと思うんです。

「何言ってんだ!オレは家族のために必死に頑張ってんだ!」

と言われそうですけど、例えば子供の養育費や学費のために朝から晩まで頑張っているというのは僕も大切な事だと思うし、男はそういう魂みたいなものが無くなったら終わりですよね。

だから否定をする気はないんです。

でももっと重要な事として、例えばまだ子供が小さい方は、子供と一緒に遊ぶ時間を作るのって物凄く大切だと思うんです。子供が小さい時というのは今この瞬間しかありませんし、あなたがサラリーマンだとして退職して時間ができるようになった60歳、70歳になった頃には、もうあなたの子供も30歳、40歳になっているのです・・・

少し話が飛躍し過ぎているかもしれませんが、言いたいことは伝わっていますでしょうか?

要するに、お金第一主義で考えるのではなく、誰と、どこで、どうやって、何をして暮らすのかという事から逆算して、「じゃあそのためには毎月いくらお金が必要だね」という考え方をしたいですね、という事が言いたいのです。

まだ20代で若くて、結婚資金を貯めるためだとか、本当にやりたい事があるからそのための期間だと割り切るのであれば社畜も良いかもしれませんが、一生このような生活スタイルを送っていくというのであれば、その代償で年収1000万円を貰ってもあまり価値はないと思います。

人生はたった1回きりですからね。

日本でも高収入が1つのステータスだと考えられる時代がありましたけど、最近では「自分の価値観に合った働き方」を模索する方がどんどん増えていますし、そのような社会情勢の中で年収という指標は2の次に考えられるようになってきています。

リクルートの転職サービスでも、学歴や給与や条件などで会社と求職者をマッチさせる従来の『リクナビNEXT』に変わって、働く企業との価値観や社風や地域性などで求職者と企業をマッチさせる『はたらいく』という転職サービスが人気だそうですしね。

2.自営業や起業で年収1000万円を稼ぐケース

じゃあサラリーマンと違い、自分でビジネスを行って年収1000万円以上を貰うケースはどうなのか?

これも2パターンには分けられると思います。

2-1.社長(個人事業主)自身が毎日働きまくっているケース

まず1つめのパターンとして、例え自分でビジネスをやっているとしても、毎日社長(個人事業主)自らがあくせく働いて、全くプライベートな時間がとれないようでは、自分でビジネスをやっているとはいえ社畜のサラリーマンと何ら変わらない状態だと言えるのです。

アリとキリギリスの童話があったかと思いますが、ここでいうと社長は勤勉な「働きアリ」になってしまっているのが、社長自らが先頭に立って毎日忙しくビジネスをしている状況ですね。

法人化してビジネスをしている人にとってみれば、会社の経費で飲食費や備品代として使えるお金も増えますから、サラリーマンとして受け取る年収1000万円よりは多少はリッチになった感じがするかもしれません。

ですが、ビジネスをしているという事は全てを自分のお金にする事はできません。利益の大半を将来への投資へと回さないといけないので、そう考えると社長の受け取れる役員報酬はどうしても少なくなってしまうのです。

だから仮に法人化している社長が毎月100万円くらいを役員報酬で貰いたければ、少なくと250~300万円以上は毎月会社へ利益を残していかなければいけません。

社長が私腹を肥やそうと役員報酬をドーンとあげてしまうと、先行投資ができなくなってしまって、いずれそのビジネスは右肩下がりになってしまうでしょう。

2-2.仕組みを作って放置で稼いでいるケース

もう1つのケースは個人事業主や法人化した社長は働く事なく、仕組みが勝手に稼いでくれるケースです。

要するに、1年間仮に何もしなくても年間1000万円くらいは勝手に入ってくるような状態を構築してしまっているケースで、何をしても良い自由な時間がたっぷりあるというビジネスオーナーですね。

もちろん年収5000万円や1億円規模の社長のような贅沢な事はできないかもしれませんが、この場合は年収1000万円だとしても、比較的“リッチな気分”は味わえると思います。

ここで僕が言っている“リッチな気分”というのは、「お金」の方よりも「時間」の方に着目して貰いたいんですよね。

働かなくてもお金が入ってくるという状態は精神的な余裕が生まれますから、それで更に仕事の生産性も高まるでしょうし、新しいアイデアも湧いてくるような好循環が生まれやすくなるのです。

僕なんかは平日の人が少ない時間に、ふらっとこんなカフェに入って色々アイデアを出したりしています。

恐らく周りから見れば、完全な暇人フリーターだと思いますが・・・

まあいずれにせよ、目指すべきなのは年収1000万円とかそういう事ではなく、「いかに心に余裕を持たせた状態を作り出せるか」が重要だと最近は考えるようになってきました。

という事で、まとめます。

3.結論、レバレッジを利かせて稼ぐ!

どういう形でお金を稼いでいく事で充実した人生を送れるのかという事を考えれば、結局は「短い時間でできるだけ多くのお金を稼ぐ」という事ができれば良いのではないでしょうか?

要するに仕事にレバレッジを利かせるんです。短い労働時間で多くの収入を稼げる方法を模索する。

例えばですけど、仮にサラリーマンの方の月収30万円だったとしても、それを1週間だけの労働時間で達成できれば凄いと思います。1か月の残りの3週間を他のビジネス(副業)をしたり、趣味の時間、家族サービスの時間に使ったっていいのです。

目先の会社の仕事に追われてこんな事を考えた事が無いという方は、少しだけでも良いのでこういう事を少しづつ考えるだけでもこの先の状況が確実に変わってくると思います。

人間は頭で考えていない事は絶体に具現化しませんから、行動や結果を変えるためにはまずは思考を変える事が重要ですね。