無い内定がどうした!内定が貰えない就活学生に贈る言葉

無い内定

就職活動で企業から内定を貰えない学生を自虐的な意味も込めて、『無い内定』なんて最近は言うそうですね。

毎年春になると東京都内の新橋駅や東京駅周辺などではリクルートスーツに身を包んだ学生をたくさん見かけますし、僕が就職活動をしていた頃は大学4年生の4月には企業が一斉に内定を出し始める(もう大企業の大半は4月以前に学生に内々定を出して就職活動は実は終了しているが)ので、最終の入社意思確認などで学生達が企業へ出向いたりするのでしょう。

でも、周りのみんながどんどん内定を貰っていく春先の時期に、自分が志望する企業からの内定を1つも貰えてない学生にとっては、本当に毎日息が詰まるような心地でしょうし、とても満開の桜を見てお花見をしようなんていうのんきな気分にはなれないでしょう。むしろ気持ちとしては春とは真逆の“冬”ですよね。

何を隠そう僕自身も就活失敗組でしたから、志望企業から内定が貰えていない学生の苦しい気持ちは凄く分かるんです。僕は文章を書いたり読むのが好きだったので大手の新聞社に入社したかったのですが、そこには全て落ちてしまったわけです。

僕は志望する企業からは内定を貰えなかったのですが、とりあえずどこかには就職をしないといけないので4月後半からゴールデンウイーク明けの5月にかけてまでなんとなく就職活動は継続していました。

そこまで入社したくもない企業に面接に向かう最中、新橋からゆりかもめに乗ってゆらゆら揺られながら、外の陽気な景色をぼけーっと眺めていると、「俺は一体東京にまで来て何をやっているんだろうか・・・」と虚しく思えてきたのを今でもはっきりと覚えていますし、「ああ、もう俺の人生は終わった・・・」なんてちょっとやばい気持ちにさえなっていたもんです(笑)

でも、就職活動での失敗談を今は笑って思い出話にできるのは、その後の人生を僕が明確な目的を持ってはっきりと歩んできたからだと言えると思います。

きっと僕のように就活で失敗した学生や、失敗をひきずって社会人になっている20代の若者はたくさんいると思うので、そういった方に僕なりのメッセージを送ってみたいと思います。

 

時代は常に変化する

まず言えるのが、本当に学生にとっての就活というのは、ものすごい狭い世界の中での出来事だという事です。“井の中の蛙大海を知らず”とはまさに就活中の学生の事ですね。で、「就活に失敗」という概念自体がそもそも間違っているという事に気が付くのは、社会に出てしばらく経ってからじゃないでしょうか?

そもそも今のご時世、終身雇用制度の年功序列型賃金制度も崩壊した中では、大企業に勤める事の価値ってそれほど高いものではなくなっています。

もちろん大企業に勤めているというブランドやステイタスが完全に無くなったと言えばウソになりますが、そんな大企業が倒産しない保証なんてどこにも無いわけですし、例え企業が存続して業績を右肩上がりに伸ばし続けていたとしても、あなたがもしも使えない社員だったとしたら、首を切られたり左遷されるのは時間の問題なのです。

「どこに所属するか」がもはや重要なのではなく、「何をするか」の方がより重要な時代になっているのです。

その証拠に、たった1人で大きな業績を上げられる人財や、スペシャルなスキルを持っている人財は、自然と他の企業からヘッドハンティングされるでしょうし、どこの企業に行ったって、自分でビジネスを興したとしたって、活躍できる時代なんです。

その逆に、大企業に入った事時代に安堵してしまって会社のブランドにぶら下がっているだけの人材にとっては、行く先にはリストラが待っているだけの厳しい時代になったとさえ言えるでしょうね。

 

要するに、時代は常に変化しているんです。

例えば具体的な事例を出すのであれば、今はどうなのかは分かりませんが、僕が就活をしていた2008年卒の時代には、リンクアンドモチベーションという企業が就活学生の間で異常に人気を博していました。まだ設立して10年も経っていない企業だったにも関わらずです。

企業研修サービスなどをしている企業だったので、業務内容も明確で、確かに学生受けは良いでしょう。研修やモチベーションをテーマにしている企業だけに、学生への演出もまた上手いわけです。で、当時リンクアンドモチベーションに内定を貰った知り合いなんかは、さぞ就活の勝ち組のような態度をしていました。(電通や三大都市銀行に内定を貰った友人は言わずもがなですけど、それはおいておきます笑)

でもあれから10年・・・

時代はどう変わったでしょうか?

より“個”の重要性が高まっている今、リンクアンドモチベーションのような専門性の磨かれない企業で働いていても、要するにつぶしがきかない人材になってしまうわけですね。これではリンクアンドモチベーションで定年まで勤め上げるしかなくなってしまうわけですが、会社から貰える生涯年収もしれているでしょうし、仮にリストラされたら転職先での年収は下がる一方です。つまり、かつての人気企業も時代の流れには逆らえないわけです。

その一方で、当時僕ら学生の間ではまだまだ不人気だったエンジニアなんてどうでしょう?WEBマーケティング抜きには生き残れない現在では、プログラミングのスキルはどんな企業でも重宝されますよね。誰にも負けないくらいのプログラミングの専門的なスキルがあれば就職には当然困らないでしょうし、マネタイズできるアイデアがあれば自分でビジネスを興す事だって可能です。

だから、当時就活で大手には嫌われたものの素敵な中小企業に入ってプログラミングのスキルを日々学んでいた友人なんかは、今や大活躍していますよね。

あるいはブラック企業で有名だった光通信なんかはどうでしょう?

当然、僕ら就活生の間ではブラック企業の光通信は敬遠されていましたけど、光通信で営業のスキルを習得した人財って、どこに行っても営業で通用しますよね。マインドセットが違うわけです。売れる営業マンが欲しい会社だったらいくらでも給料を出すでししょう。

要するに、先を見据えて自分はどんなスキルを身につけるべきか、どんな経験を積んでいくべきかを考える事が大切なんです。

有名な企業や、東証一部上場企業に入る事が重要ではないんです。

もっと言えば「上場企業」や「有名企業」に安定なんてありません、本当の安定とはどんな状態でも自分でお金を稼ぎ出せる能力でしょう。

時代の流れは間違いなく「集団の中の個」ではなく、「個の集合体としての集団」へと推移しています。僕が就職活動をしていた10年前と今とを比べても、既にその点ははっきりとした違いが生まれてきていますから、この先はもっと就活を取り巻く環境や考え方も変化してくると思います。

だから僕が言いたい事は、今の時代の価値観で「就職活動に失敗した」と思ったとしても、それがもしかしたら5年後や10年後には「あれで正解だった」と思えるかもしれないという事なんですね。

いやむしろ、自分で正解にするくらいの気持ちでやっていった方が絶対に結果は良くなると思います。未来の自分を作れるのは今の自分でしかありませんからね。

そもそも就活に失敗も成功もないんです。他人と比較する事は無意味ですし、親や親せきや友人などの世間の目を気にする必要も一切ありません。重要な事は、自分が今できる事に精一杯取り組み、“個のスキル”を上げていく事に尽きるでしょう。

卓越した“個のスキル”があるのであれば、それは必ず活かされる機会がやって来ます。だから、過去の自分の価値観にとらわれず、勇気を持って毎日1ミリでも前進していけるように日々能力を磨く事が重要なんです。

志望している企業から内定を貰えなかったからと言って人生が終了するわけではありませんし、将来の成功が無くなったわけでも決してありません。幸せを与えてくれるのは企業ではありません。自分自身の日々の言動なんです。むしろ就活に失敗した事をバネにして、これから大きく飛躍するための足掛かりにすれば良いですね。

優良企業なんて星の数ほどある

リクナビやマイナビに載っている企業だけが、内定を貰える企業ではありません。世の中には学生達が知らない、本当に優れた企業というのは星の数ほどあるんです。

例えば、ビジネス雑誌の日経ビジネスやプレジデントにちょくちょく名前が挙がるような今をときめく中小企業やベンチャー企業の中には、僕が就職活動をしていた頃には全く有名でなかった企業がたくさんありますし、まだ設立さえされていなかったような設立間もない企業も存在します。

そんな企業が今では、フジテレビや三菱商事などと変わらないようなとんでもない競争率の人気企業になっているわけです。

だから、「就活」という枠の中だけに閉じこもってリクナビやマイナビだけを見ているんじゃなくて、もっと周りに目を広げて欲しいんです。雑誌、書籍、テレビ、インターネット・・・優良企業をリサーチする方法なんて腐るほどあります。

確かに学生にとってみればそういう行為をすること自体が手間だと感じるかもしれませんが、そこまでやっている学生なんてほとんどいないわけですから、仮にそうやってリサーチして「ここで働きたい!」と思えるような企業が見つかった時に、そういう熱意をもって応募をしてきてくれる学生を、社長さんはみすみす不採用にする事はないと思うんです。熱意を伝えてみて下さい。

新卒採用の公募さえしていないような企業に連絡してみる事で、誰にも知られていない超優良企業に入れる可能性だってあるわけですからね。

視野を広げるという意味では、東京や大阪などの都会の企業に限定しなくても良いと思うんです。ローカルな地域に根差した企業の魅力を発見するというのも1つの選択肢ですよ。

最近では都会住民がこぞって地方へ移住したりしていますし、なおさら地方企業の価値が見直されている時代です。高収入という事を応募の必須条件にしている学生にとってみれば「地方の企業は年収が低いんじゃないか?」という懸念がもしかしたらあるかもしれませんが、そんな時は別に自由に副業をすればいいじゃないですか?

今はパソコン1台あれば自宅で年収1000万円くらいは稼げる時代です。そうとまでは言わなくても月に10万円、20万円だったら、本当に誰でも稼げるようになりました。良い時代ですねぇ。だったら、自分が愛着のある大好きな土地に住んで、本当に税金を納めたい地域で活躍すれば良いと僕は思うんですよね。

それって、本当に仕事のやりがいがあると思いますよ。

もはや今の時代、誰もが知っている大企業のある都会のオフィスで勤くだけがステータスではありません。誰もがニュースで目にしている事かもしれませんが、不祥事などが起こればブランドや信頼なんて一瞬にして崩壊する時代ですからね。

会社にぶら下がっている事は危険以外の何物でもありませんから、個人でいつでも活躍できるスキルを身につける事や、心から楽しんで働ける仲間がいる会社に出会う事、本当に自分が情熱を傾けられる仕事に没頭する事の方が、より大きな価値がありますよね。

そんな風に考えると、リクナビやマイナビに載っている一部の企業から就活で内定を貰えない事なんて、実はちっぽけな事なんですよ。